JAMHAブラッシュアップセミナー
- author: Akiko
- 2018.11.14 Wednesday
日本メディカルハーブ協会
ブラッシュアップセミナー
2018年11月11日(日)東京農業大学
セミナーの内容はハーブに直接関係はありませんが、健康について非常に興味深い内容のものでした。
化学的な説明も簡単にあったのですが、そこは省いて簡単に内容について紹介します。
Program 1 「糖化は老化 〜糖化ストレスの体への営業とその対策方法について〜」八木雅之氏
糖化の英語の頭文字はAGEですが、正式にはAGEsと書くそうです。
AGEは1つの物質ではなく、グルコースが色々な物質と結びつき、100種類以上存在しているので、複数形のsが付くのですが、発音しにくいので、一般向けのTV番組ではsをとってAGEとしているそうです。
AGEsが体にどんな影響があるかというと、血管内皮を傷つける、皮膚や組織が固くなりしなやかさが低下、肌のキメが乱れる、見た目が更ける、脳内蓄積、骨強度が下がるなどがあります。
糖化の原因である高血糖を抑えるため、ベジタブルファースト、副菜と一緒にご飯を食べる、食前にヨーグルトを食べる、朝食後の運動することを提案されました。
AGEsは調理して茶色くなったものに多く含まれるので、焼いたり揚げたりするよりは、ゆでたり蒸したりするほうがAGEsは少なくなります。
また、ローストビーフの試験では、調理前に酢またはレモンジュースに漬け込むことでAGEsが少なくなるという結果がでました。
鶏肉団子を水で茹でるよりも、鰹だしで茹でるとAGEsが少なくなる試験結果も出ました。
抗糖化作用を有するハーブは、ローマンカモミール、ドクダミ、セイヨウサンザジ、ブドウ(葉)などです。
講演後のパネルディスカッションで林副理事長が参加者に代わって質問してくれたのですが、ハーブティで使われるカモミールは通常ジャーマンなので、ジャーマンではダメなのかどうかというのが気になりました。試験の結果はローマンのほうが抗糖化作用が強かったのですが、ジャーマンでも同作用はあるとのこと。
その他よもぎ、モロヘイヤ、フキノトウ、新しょうが、ローズマリーなどなど、たくさんの野菜・ハーブの名前も挙がっていました。
普通に野菜中心の食生活にハーブをプラスして、調理方法に気を付ければ、無理しなくても抗糖化な食生活はできると思いました。
カモミールや菊といったキク科の植物は抗糖化作用高いということで、スーパーには売ってないのであまり飲まないのですが、菊花茶も今後探して飲んでみようと思っています。
Program 2 「ポリフェノール研究の最前線」芦田均氏
去年くらいに、ポリフェノールは健康に関連する臨床結果が得られていない、科学的な証拠がない成分だという記事を読みました。
だからこそ、研究の最前線を知りたいという思いがあり、この講演を聞くのがとても楽しみでした。
まず、ヒトでの臨床試験が少ないこと、ポリフェノールはほとんど体内に摂取できないため、体にどう影響しているのかがまだ薬理的に明確でないことが今回分かりました。
黒大豆で血流や血管年齢の改善、カカオポリフェノールの高血糖抑制と肥満・脂肪蓄積抑制、みそ汁やイソフラボンで乳がん発生率減少と骨粗鬆症予防といった話もありました。
エクオールの話も出てきました。
日本人の50%はエクオールを作る腸内細菌を持っているのですが、若い世代は大豆食品の摂取が少ないためか欧米人と同じ20%くらいに減っているそうです。
最近の研究では、腸内環境を良くする作用があり、今後ヒトで臨床試験を行っていくということでしたので、今後の研究に期待したいです。
昔から食べている食品にはポリフェノールだけでなく、他にも健康に役立つ成分があり体にいいから食べ続けられているという話も出てきました。
ポリフェノールの作用に関わらず、健康的に良い食品を色々な食べることはいいことだと思いました。
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